金先物の相談
念のために言っておきますと、ビッグバンは投資家にとって歓迎すべきことばかりではありません。手数料が自由化になった場合、有価証券取引税の廃止の代わりに大蔵省はキャピタルゲイン税の強化を謳っていますし、プライバシー保護が問題になる課税背番号制導入に拍車がかかることもあり得ます。
結局、これからは投資全般に関する情報を広く得てよく理解している人ほど、心構えによって大きなパフォーマンスが得られ、逆に横並び時代と同じ意識でいる人は、なかなか資産を殖やしていくことができないという時代になったと考えるべきなのです。いままでのように大蔵省が金融機関に何でも口を出す時代は終わったわけですから、不勉強のままでいると投資家の損失がいままで以上に大きくなることも十分あり得ます。
投資にご興味をお持ちの方の中で、どうしてもリスクが怖いという方、あるいはもう定年を迎え、年金しかフローがなくて、絶対にいまある金を減らしたくないという方は、資金をタンスの肥やしにするか、格付けの高い銀行・郵便局に預け、低金利で細々とやっていく以外にありません。これらの方はビッグバンには無縁の方です。
しかしイギリスで起こった以上のビッグバンが訪れ、金融商品の選別、運用法が資産に対していままで以上に影響を及ぼすことが必至である現在、まったく何もしないということは、そのまま「負け組」に入ることを意味します。
リスクを少しでも負担する覚悟があるのなら、1000万円の資産ならば900万円は郵便局で100万円はリスクのあるものに投資してキャピタルゲインを狙う方法を考える方に、分がある時代になったのです。
株などに比べて安定している預貯金でさえ、国内銀行と外資系の銀行に預けるのではさまざまな違いがあります。年間でも商品の選択によっては同額の元手がかつての高卒と大卒の年収の差ほど開くと言われています。こうした情報にもっと敏感になるべきなのです。
金融の国際化と淘汰という激動の時代のなかで、いかにして「勝ち組」に入るか−このことを真剣に考えるときが来たということなのです。
ある程度まとまった資金をお持ちの方で、相当長い年月が経ちますが、銀行の金利を見ると1年もの定期預金は、どれも1%未満なのはご承知の通りです。また株の世界についても、諸外国はすばらしい上昇を見せましたが、日本市場はパッとしません。
ニューヨークダウのチャートを見てください。ニューヨーク悲観論者は敗北するとの立場を過去の著作で取ってきましたが、このチャートを見れば、結果は明らかでしょう。つまり、行革が進んだとしても結局官僚主導の日本でよくわからない日本株を買うのなら、本当にドラスティックなリストラ等をして競争力をつけた外国株を買えば確実に儲けが出たということなのです。
日本に投資するくらいなら海外に投資すべきだったと言うべきでしょう。
「外国株を買うなんて難しい」と考える方が多いようですが、日本の証券会社に行って知っている銘柄をあげ、日本の株式を買うのと同じ作業をすればよいのです。チャートを取り寄せ、業績を調べる、といったことも同じです。
また初心者の方でもC、N、Iなどはよくご存じでしょう。これらの企業は日本での知名度が高く、情報も入手しやすいという利点があります。しかも普段つき合っている証券会社を通すことだけで用は足ります。
実際、日本のバブルが崩壊した91年以降でさえ、これらの銘柄を買っておけば、どれも2倍以上の株価上昇を見ることができたのです。
97年5月末現在、投資信託の上位運用成績ランキングがあります。
これを見てみると一目瞭然ですが、国際分散投資型が上位を独占しています(1位のファンドについては後で説明しています)。
早い話が海外にいくらでも市場があるのに、国内だけで資産運用しようというほうがおかしいのです。驚かれるかもしれませんが15年で12倍(1200%)になったファンドも世界にはあるのです。
日本の投信純資産のうち、海外への投資比率は97年5月末でわずか6・3%で、しかもその中で株式組み入れは30%に過ぎません。株式市場が好調なアメリカでも国外への投資は96年に9.1%、イギリスでは35%(95年末現在)にも達しています。
しかも両国とも90%が株式です。これだけ低金利で、株式市場も活況を呈していない日本においていかに非効率的な資金運用がなされているかおわかりでしょう。
こう見てきますと、効果的な資産運用のチャンスがあるのにみすみす日本人の99%は見逃してきたと言わざるを得ません。これまで私か海外投資の話をしてもピンと来る人はきわめて少数でしたが、日本版ビッグバンを迎え、制度・情報の質が変わるこれからは、どうしても海外の金融商品に目を向けなくてはならないのです。
グレーな部分がなくなりオープンになる。
海外の金融商品に目を向けるべき理由は、これまで海外投資につきまとうさまざまな禁止条項やグレーな部分が撤廃されることにもあります。
77年まで、日本では投資のための海外送金は原則禁止状態であり、外国の株を買うことはできませんでした。
が、現在では大蔵省が指定証券市場と認定している市場に限って国内証券会社を通じて外国株を買うことができるようになっています。
また、海外の株式・ファンドを直接現地と交渉して買うことも禁じてはいません。
しかし事前の届け出・許可取得の義務(ただし株式以外〈債券・CP等〉は1件2億円までなら外為法改正以前でも事前の許可・届け出が不要)や、日本には取扱窓口がない機関の商品に限るといった制限があり、一般の個人投資家はほとんど決まったレールの上でしか投資ができなかったというのが実情だったのです。つまりここは非常にグレーな部分であり、禁止はしていないが事実上の禁止とあまり変わりがないということだったのです。
決められたレール上で普通にやって、それなりのパフォーマンスが出ればいいのですがバブル崩壊後、資金を海外のベンチマークと同じレベルで運用するのはきわめて困難だったはずです。また、日本のファンドでまともなものはほんの一握りで個人投資家が見つけるのは宝くじを当てるようなレベルでした。
なぜ多くの海外市場が日本に開かれていないのか当局の関係部署に聞いてみると、「ルールで定めてない市場はディスクロージャーも十分ではないし、送金が困難である」との理由で指定市場にしてないという答えが返ってきました。
しかし、送金に関しては98年4月から白山(オープン)になるので、問題がなくなります。また、海外に円預金口座を持つのが自由になりますし(改正前は1円でも許可されないのが原則)、外貨預金の金額制限もなくなります(改正前は2億円以上の場合、事前の許可・届け出が必要)。日本人が海外に行く機会は毎年増加しており、訪れる国も多様化しています。これからは指定証券会社という言葉も死語になり、口座をどこで開こうがお金を送ろうが問題はなくなります。
海外で外貨預金を引き出すことも可能になり、利便性は高まることでしょう。また同時に海外旅行の際に現地に口座を設けたり、金融商品を買うこともできるようになってくるでしょう。
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